碑文の解読方法って、それ自体はうみねこの謎と関係ない所に位置しています。物語の推理に必要なのは「誰が」「何の為に設置して」「解くと何が起きるか」です。
だから解読方法自体に対する推理はナシです。ごめんなさい。
一応、碑文解読自体はこれで完結で、EP8で改めて話題に上る事もないかなー・・と思ってます。ただ、魔女が授ける4つの宝に関する話ってこれまで出て来てないから、これはEP8で話題に出るのかもしれませんね。
なのでちょっと矛先を変えて、碑文解読に有利な人・不利な人を考えてみます。
・六件島に出入りできる人間
これは最低条件です。碑文の謎が提示されている事を知らない人間に解ける訳もなし。エリカは新聞などに掲載されず屋敷に提示された事で、出題者(金蔵)が解かせたい人間を絞る事が出来ると言っています。
・金蔵の故郷・人物像を知っている
金蔵が懐かしむ故郷は小田原じゃなくて台湾。さらに台湾の大正町まで知っていれば、かなり有利です。
この時点で金蔵に詳しくない人間は脱落です。郷田とか、片翼の鷲を持っていない福音の家の使用人とか。金蔵の子供の配偶者・金蔵の孫にとっても難易度が高い筈です。
逆に、金蔵の子供4人・源次・熊沢・南條あたりは予備知識がある筈です。もう一人、金蔵の過去語の筆耕をさせられた描写のある紗音も知っている筈です。嘉音はEP7で「台湾」の単語を聞かされてますが、台湾の具体的な話を聞かされた(と思われる)紗音に比べると少し情報は劣ります。
・礼拝堂の構造・レリーフを知っている
一応「郷=京」で推理出来るとはいえ、レリーフの11文字の英語を知ってるかどうかで難易度は全然違うでしょう。クレルも怪しい11文字の方の心辺りがあったからこそ、クリアンを英語に直す事を考え付いた節があります。
って事は、金蔵の子供の配偶者・外孫達はここでも難易度が高い事になります。島に住んだ事があるか無いかで礼拝堂への知識は段違いだろうから。特に留弗夫と結婚して7年程の霧江なんて相当不利です。旦那の実家の、普段使わない礼拝堂に霧江が出向く機会なんてあったかどうかすら怪しいです。
ここで有利なのは断然使用人です。礼拝堂に島の人間が近づくのは年に数度の掃除の時だけ。EP7で掃除の描写が出ますが、そこでは福音の家の使用人達が掃除していました。ここで源次がレリーフを丁重に扱っているのを知っていれば、大きな手掛かりにある筈です。
この点では紗音が相当有利です。10年勤めていれば何度も源次がレリーフを磨く所を見たでしょう。他の福音の使用人は2~3年程度で入れ替わるので、シフトの都合を考えても紗音ほど礼拝堂を掃除する機会はなかった筈です。郷田も同様です。
・碑文解読に言葉遊びが必要な事に気付く
これは個人の素質の話ですね。単純に頭の回転的な部分もあるんですけど・・・。
この辺は霧江・戦人がダントツで適性があるみたいです。次点で楼座。絵羽は賢い分、頭が固いそうで。
それ以外の人達は碑文解読で目立った動きをしないし、あんまりこういうクイズ向きじゃないんでしょうね。
こうやって纏めてみると、予備知識がある絵羽・楼座。柔軟な発想の持ち主の霧江。それぞれ欠けた部分があるから1986年まで碑文を解けた人間はいない(事になっていた)んでしょう。全員で知識を持ち寄ると、欠けた部分を補えるので解ける人間が出てくる。
親族以外だと、紗音って相当有利です。多分レリーフに残す5文字までは推理出来るんじゃないでしょうか。後は発想の問題で、ここが微妙な所なんですけど・・・。
碑文解読の難易度は、必要な情報をどの程度持っているかで変わります。出題者が解答を教えてしまえば難易度を0にする事さえ可能です。この辺の話はEP4で小此木が指摘してますよね。
しかし金蔵さんの碑文を設置した目的って何だったんでしょうか。一応、EP6まで見た感じでは、残していく嘉音(と戦人)への賭けだったのかなーと思ってたんですよ。
魔女の手紙の差出主の意図に関して、EP2で真里亞が「ベアトは犯人を探せなんて言ってないよ。碑文を解いて遊ぼうとしか言ってないよ。だから一緒に碑文を解こう」を言っています。
多分これは彼女の目的のズバリ正解です。ゲーム盤でベアトリーチェを名乗った人物は戦人に碑文を解いて欲しかったんです。碑文を解いた人間が次期当主になるから。
EP4がヒントの塊・・ってのは今読み返すと凄く納得出来る話で、バルコニーのブレザーベアトは「どうせ金蔵なんてすぐに死んでしまう。なら、戦人に次の当主になってほしい」と目的を率直に口に出してるんですよね。
彼女は金蔵が死んでいる事を知っている使用人。次期当主選びの「すぐ」は明日にも来る事を知っていて、戦人に碑文を解かせようとしてるんです。
ただ、これってベアト側の目的で、金蔵さんは自分が死んだ後のゲームを見届けないで満足だったんでしょうか。
EP1冒頭で「自分が死んだ後に興味はなくて、生きている内に成し遂げなくてはいけない」と言ってますからね。
まぁ、生きてる内に惨劇の舞台が整った事を見届けたい、でも話は通じるんですが。話として綺麗なのは、ベアトリーチェに謝らせて欲しい!もう一度微笑みが見たい!と泣いていた件を叶える事なんですよ。
だから、今回クレルが語ったみたいに、19年前の赤ん坊(ビーチェ・九羽鳥ベアト似)に罪の清算を願った、とする物語は筋が通ってはいるんです。
でも罪の清算をする為に19年前の赤ん坊に再会したいなら、別に碑文なんて関係なく源次を問い詰めればいいじゃん、とも思うんです。
だって屋敷に碑文を提示したって事は、19年前の赤ん坊が屋敷に居る事は見当が付いてたって事でしょう?しかもドレスに着替えて会いに行ったら「母に似ておる」とか言ってるし。これまでの8年間気付かなかったくせに、どの口がそんな事を言いますかね。
それに、もし郷田なんかが碑文を解いたらどうするのか。郷田に謝罪しても仕方なかろうに。
なんとなく、金蔵の目的と手段が噛み合ってないなぁ、と思うんです。この辺、EP7を読んでよく分からなくなった部分かも知れません。爆弾の件も合わせて。
源次に「貴方が次期当主です」と言われて「それは蔵臼さまに譲ります」「お金が必要なら改めて相談」と言ってる割に、いざ夏妃達が「借金トラブルが解決するまで金蔵を生きてる事にするよ」と言い出してもスルーしてるし。
もし蔵臼当主でいいと思ってるなら、自分が犯罪の片棒を担いでまで死亡隠匿をする筈がないので、この辺の話もクレルの嘘が混じってるんだろうとは思うんですけど・・・。
実際に金蔵って、具体的に何を目的にして碑文を設置したんでしょうね。
碑文を戦人に解かせれば、戦人を当主にできるよ。戦人と結婚すればお前の望みは叶うよ。こんな誘惑を囁いて、ベアトリーチェの依り代を笑わせようとでもしたんでしょうか。もしそうなら、ちょっと淋しい話です。
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