ＥＰ６を読み解く～ベアトの正体を明かす～

・ベアトリーチェの心臓を晒すトリックとは？

ＥＰ６は、実に戦人救出を謎にする為だけに存在するゲームです。他の謎はＥＰ５までの復習です。ネタばれしてるしね。


第１の晩は「被害者・発見者共にグルで探偵（エリカ）を騙そうとした」「死んだ振りの人間をエリカが殺した」とＥＰ５で出たであろう仮説を補強するものです。
トリックも「被害者が死亡している赤字を切らず（前提を断言せず）誤解を誘うトリック」「証言者・被害者が探偵を騙そうとしている」と、まさにＥＰ５の焼き直しです。

・・・ここで、「あれ、時間差トリックがないよ？戦人は時間差トリックを省略しちゃったの？」と思った方、仲間です。
実は第１の晩の段階で、時間差トリックは使われてないんです。
ＥＰ６は戦人が真相に至った事を証明するためのゲーム。卒業問題だから全てのトリック・謎を詰め込んだゲームを作るのが筋なのに、何故この時点で使わなかったのか。
答えは、戦人救出のトリックで使うから。でしょうね。こんな所にも細かいヒントがあるうみねこ。親切なのか、ねちっこいのか迷うところです・・。

他にもヒントっぽいモノは沢山あって、例えばコイン５個にコップ３個のゲーム。ゼパルとフルフルがヒントになるのは何故か。
そして読者の頭を悩ませる謎の１つ、「家具」って何か？蝶のブローチが紗音嘉音に与える魔法とは何の比喩なのか。
こういう所も加味して「ベアトリーチェの心臓を晒すトリック」を考えてみたいと思います。


戦人救出で解くべき密室は２つ。「嘉音がいとこ部屋から脱出する」と「嘉音が客室から消える」ですが、ベアトの心臓にあたるトリックはどちらの部屋に使われてるんでしょうか。
赤字と状況を顧みるに、いとこ部屋からの脱出は「物理的に」体が部屋から出ないと成立しない。逆に客室はチェーンロック施錠後の単独脱出は無理だから「非物理的に」体が消えないといけない。

物理的脱出か、非物理的脱出か？　この２択はＥＰ３・４を見れば予想が付きます。

ＥＰ４の戦人殺しは、ベアトが魔女で居られる最後の質問で、実際出題の前に「心臓を晒すから・・」とベアトが語っています。
そしてベアトの出題を受けた戦人は、その謎を「南條先生殺しの強化番か・・」と言っていて、「南條殺し」「戦人殺し」「ＥＰ６の戦人救出」は同じトリックを使っていると推測可能なのです。

この２つに共通する状況は

「ゲーム盤に探偵目線が無い状況」
「殺人者が存在する筈なのに、可能な人間はいないと赤字で定義されている」

事です。

南條殺しは赤字時間差で解決可能ですが、その場合南條を殺した人間が何故死んだのか謎が残るわけで、あそこは単なる時間差だけの問題じゃないんでしょう。
つまりベアトの心臓を晒すトリックとは、物理的に何者かが存在する筈なのに赤字でそれを否定するカラクリを見つけなさい、という事です。
なら非物理的脱出を行った、客室から嘉音が消滅したトリックの方を指すと考えるのが妥当。
いとこ部屋からの脱出は、未使用の時間差トリックを使って抜ければ良さそうです。