忍者ブログ
当ブログは07thExpansion様の「うみねこのなく頃に」の真相を、ゆる~くまったり推理してみるファンページです。
[1]  [2]  [3]  [4]  [5]  [6
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

嘉音の望みを邪魔する存在として金蔵に唆されたのが紗音です。EP2序盤で紗音を誘惑したベアトリーチェは、現実世界では金蔵だった筈です。
おそらく紗音を焚きつけて譲治と恋仲にさせる事で、気の小さい紗音に将来への強い希望を持たせる。
そして不注意を装って、碑文の答えを紗音にだけ見せたんだと思います。紗音が金蔵の筆耕係なのは伏線かなと。
蝶のブローチを与えたのも金蔵で、あれは戸籍を手に入れる手段・・・なんでしょう。1つしかないので、紗音嘉音のどちらかのみ行使できる権利です。
嘉音は自分が当主になれば右代宮の力で戸籍くらい何とか出来ると思ってそうですが、紗音はそこまで考えが及んだでしょうか。
紗音がいつも頭が悪くて無教養扱いされてるのを見ると、そんな方法を思いつけたとは思えないんですよね・・・(紗音好きな人ゴメンナサイ)。

これまで家族もなく、教養も名誉も戸籍さえも無かった紗音。
彼女は碑文の答えを偶然手に入れました。親世代7人が死ねば全てを手に入れる事ができるチャンスです。
嘉音が計画している狂言殺人を利用すれば、親世代を全員殺す事が出来ます。計画を知っている使用人も殺して最後に嘉音を殺人犯に見せかけて殺せば、全ての罪を被ってくれそうです。

紗音は上手くいけば何も失わずに全てを手に入れる機会に恵まれた訳で、これはクラッとくる誘惑です。
ゲーム盤で使用人・親世代を集中的に狙って殺しているのは、こういう事情があるからと思います。


最後の爆発は、金蔵の設けた時間切れです。多分ボイラー辺りに細工をして1986年10月5日に爆発するようにしておいたんでしょう。
碑文解読の期限を決めておけば、1986年の親族会議に紗音嘉音が動く事を予測できます。

多分、07151129と碑文の解答を合わせれば、九羽鳥庵に避難できるように作ってあるんでしょう。
金蔵の仕掛けたゲームに嘉音が勝利する条件は、戦人が碑文を解く事・紗音を説得して止める事・九羽鳥庵に避難して爆発から逃げる事。
この3つで、確かにゲームを終わらせる鍵は戦人に握られている事が分かります。金蔵の設けた嘉音の婿のハードルは、限りなく高かったのでした。

魔女を殺す事は、金蔵の生み出した幻想を壊す事。嘉音の望みは、ただの自分になる事でした。
EP8でこの辺の条件をクリアしてハッピーエンドになるんだと思うんですけど、どうでしょうか??


最後に各EPの個別トリック・解答を載せて終わりにします。しかしEP1は上手くロジックが作れないんですよね。逆にEP2・3は割ときれいに纏まるんだけど・・・。

PR

惨劇の始まりは、金蔵がベアトリーチェを復活させて恋人になる野望を達成しないまま死期を迎えた事です。
EP1冒頭で語られた「たった1つの心残り」は、結局自分のものにならなかった嘉音(オリジナルベアトの依り代)の処遇をどうするか。だったんでしょう。

嘉音はオリジナルベアトにならなかったけど、それでも外見はそっくり。嘉音の回想を見る限り可愛がってもいたようで、自分が死んだら好きにしろ、と思えなかったんでしょう。
自分の知らない所で、どこの馬の骨とも分からない男と恋愛して・・・は認められない。
ただし、もし嘉音の好いた男が金蔵の試練を全て乗り越えられるなら。嘉音の相手として認めてやっても良いかもしれない。
金蔵は惨劇のキングだと思われますが、思惑はこんな所でしょう。ええ、勝手な理由です。

嘉音の好いた相手は孫の戦人です。よりによって昔の自分に一番似てる孫です。
この辺に嘉音と釣り合わない年齢になってしまった金蔵の無念を感じなくもないですが・・・。

まず金蔵がやった事。碑文と肖像画の設置です。碑文作成者は誰か?も本編の謎の1つですが、金蔵が自分で作ったんでしょう。
碑文と魔女の手紙差出人の意図に関する考察は、EP2霧江(魔女の一手の章)・EP3霧江(魔女の挑戦状の章)・EP5エリカ(奇跡の魔女の章)が語っていて面白い部分です。
個人的見解ですが、碑文を解いたら右代宮家の財産と家督が手に入る。これは作中から真実と思われる部分で、それなら金蔵は自分が死んだ後の遺産相続について、碑文を絡めた遺書を残している事になります。
碑文を解いた位で親族は平伏しない。ここに強制力を持たせる為には金蔵の遺志が必要です。

どんな遺書か?細かい所は想像しきれないんですが、犬神家の一族ばりに複雑な遺書だと思われます。


ここで嘉音の狂言殺人にゲームスタート前から協力してるのは誰か?を考えてみます。
必須協力者は南條と留弗夫です。南條は嘘検死に説得力を持たせるため。留弗夫は戦人を連れてきてもらう必要があるため。ついでに子供すぎて邪魔な縁寿を親戚に預けてきてもらえると理想的です。
この2人に共通した、狂言協力者の伏線。EP4で出てきた手紙とお金です。なら、同じものが届いた熊沢も協力者でしょう。
源次は手紙こそ来てないけど、EP2終盤で真相を知っている事を匂わせているから協力者です。狂言を利用して殺人を行う紗音も、事前に計画を知っていた筈です。
南條・熊沢・源次・紗音・留弗夫。何の事はない、嘉音の正体を知っている人に協力してもらっているんですね。

逆に協力者の可能性が極めて低い人間。夏妃と絵羽です。夏妃はEP5を見る限り・絵羽はEP4を見る限りそうでしょう。
それから戦人が霧江の息子と考えれば、霧江も事情を知らない人間です。事情を知らせて協力を仰ごうにも、真相を知った霧江が平然と芝居できるか怪しい所です。
この3人が非協力者なら、親世代は留弗夫以外、事前に計画を知っていた人間はいなさそうです。
そもそも全員に根回し出来るなら、狂言殺人なんて回りくどい事をしないで堂々とした方がいいんです。とEP2で言われてるしね。


この根回し出来た人間と出来なかった人間から、金蔵の遺言と碑文の関係を推測すると・・・。

・右代宮金蔵の死後、碑文を解読できた人間に遺産と家督を譲渡する。非血縁者が解読者の場合は条件がある。
・ただし、金蔵の娘息子7人は、碑文解読に期限がある(1986年10月4日時点で時間切れ)。戦人以外の従兄弟3人も時間切れかも・・。
・戦人については少なくとも1986年10月5日までは権利が継続している。碑文を読む機会がなかったから??
・右代宮家の血族以外の人間が碑文を解いた場合。金蔵の娘息子が全員死んだ場合に限り、家督と遺産を相続できる。それ以外の場合は権利がない。
・誰も碑文を解けなかった場合は遺産はどこかに寄付される。


こんな感じかなーと思うのです。
嘉音含め、狂言に協力した人間は遺書の存在を知っていたんでしょう。
EP2・4で途中から親世代も嘉音に協力してるのは、金蔵の遺書を見せたからだと思います。親族会議の時点で、右代宮家で相続権が残されているのは戦人のみ。だから何としても戦人に碑文を解かせようと芝居に協力したんでしょう。
逆に親族会議以前に親全員に事情を話せなかったのは、万が一にも親世代に碑文を解かれたら困るから。親族会議ギリギリまで解読期限が有効だったんでしょうね。
留弗夫は戦人の親で、戦人に碑文を解かせたい嘉音の意向で得をする人間です。だから事前に協力を依頼出来たんだと思います。

そして嘉音が根回しをした使用人達は、仮に碑文を解いても親族が生きてる限り権利がありません。
解けそうもない碑文と、親世代7人が死ぬ確率の低さ。この人達は最初から「無理だな」と諦めるだろうから遺書を見せて協力を仰ぐ事が可能だったんでしょう。

そして肝心の碑文の答え。これは金蔵のみが知っていて、少なくとも嘉音は知らなかった筈です。
もし嘉音が答えを知っていたら。狂言殺人を起こす前に、戦人にこっそり解答を教えちゃったでしょう。
と言うか、狂言殺人を企む前に、嘉音はその作戦を考えたんだと思います。熊沢の家に残っていた解読の跡、あれは嘉音の碑文解読を手伝った跡です。
どうしても嘉音は碑文が解けなかったので、親族会議の2日間に戦人が碑文を解く奇跡にかけた。命が掛ってれば本気になると思ったんでしょうね。

戦人に碑文を解かせたかった嘉音の目的。そして戦人が約束を忘れていたら困る理由。

嘉音の狙いは、戦人を当主にして自分はそのお嫁さんになる事です。EP6お茶会でそんな感じでした。
それは単純に戦人が好きだから・・・もありますが、も少し現実的な所もありまして。

自分の旦那が当主なら、役所に根回しして自分と紗音の戸籍作成が可能でしょう。
それに紗音と譲治の結婚も、当主の口添えがあれば認められやすい筈です。
源次は戸籍の都合で島の外で生きていくのが難しいし、長男夫婦が当主になったら追い出される所だったのを、自分たちが当主になれば使用人として雇用を継続出来ます。
真里亞と楼座の件も、簡単に口を挟みにくい問題ではありますが、これまでみたいに隠れなく良い分、サポート出来る手段がありそうです。

これは戦人が当主になって自分が奥さんにならないと無理な相談で、嘉音の望みは全員が幸せになる未来を手に入れる事だったんだろうと思います。

戦人が1度の芝居で碑文を解いて自分との約束に思い至るとは思えなかったから、ラムダの力を借りて何度もゲームを繰り返したんでしょう。

ここまでの仮説を一度整理します。

「右代宮金蔵は、昔に死んだ愛人を復活させたいと願っていた。その為に愛人そっくりの子供を密かに育てていた。この子が後の嘉音。
協力者は源次・熊沢・南條・紗音。事情を知っているのが明日夢・留弗夫。それ以外の親族・使用人は、愛人の存在を知らない。
金蔵は嘉音が逃げないように紗音嘉音の戸籍を奪って軟禁したが、嘉音は金蔵を恋人として見なかった。
それどころか、金蔵の孫の戦人に恋をしてしまう・・・」

これを踏まえて、動機の部分を考察していきます。
何故嘉音は戦人に碑文殺人を見せようとしたか。紗音は殺人を犯すのか。
EP2で「金と愛に狂わない人間はいない!」と言われた通り、動機は金と愛・社会的権力を巡るものです。非常に単純で、聞けば何だと思わない人はいない筈です(なんちて)。

じゃあ紗音は何者か?彼女は福音の家の孤児です。
おそらく、従順で気の小さい性格・嘉音に似た顔・体格を見込まれた世話係です。紗音だけが異常に長い勤務なのは嘉音の事情を知ってるからでしょう。
嘉音が紗音を非常に慕っているのは、ほぼ唯一の心許せる友人だからかと。恩も感じてるんだと思います。


この辺で疑問に思うのは、金蔵は嘉音と紗音にずいぶんと酷い仕打ちをしてるのに、2人が逃げ出す気配がない事です。
嘉音は言わずもがな。軟禁されて自由がなく、やっと表に出たと思ったら男装を強制される。片翼の鷲のせいで夏妃にも恨まれてます。
紗音も辛い立場です。職場は人間関係・職能適正共に最悪。たまに来る親族にも苛められます。譲治との関係にしても、1度恋人関係になったなら仕事を続けるメリットは無いかもしれません。

金蔵は九羽鳥ベアトを軟禁するにあたって、彼女が逃げないように柵で九羽鳥庵を囲みました。
これは九羽鳥庵以外で育てられた嘉音には通用しない作戦です。どうしても嘉音(というかオリジナルベアトの依り代)を逃がしたくない金蔵は別の檻で彼女を囲いました。

それは源次が金蔵に大恩を受けた事情で、決して使用人を辞職しなかった理由からヒントを得たもの。物理的な檻じゃなく社会的な檻。
つまり戸籍を登録しない・あるいは動かせないよう細工する事で、島から逃げた後の生活が極めて苦しくなるようにしたのです。

・・戸籍に関しては私も素人なんですが、戸籍がないとどうなるか。まず入籍出来ません。子供が生まれても、子供も無戸籍になります。
その他、取れない資格・免許・パスポートといった身分証明書もありまして。戸籍がないのは非常に厄介らしいです。
また、戸籍があっても動かせない人もいます。犯罪・借金トラブルに巻き込まれた人達が戸籍を使うと居場所がバレるので使用できないケースです。源次は多分こちらです。

「家具」の言葉に込められた意味は、戸籍に事情がある人間の比喩かなと思われます。

嘉音だけじゃなく紗音の戸籍も細工したのは、人質は2人以上で意味がある事と同じ意味じゃないでしょうか。
自分だけなら思い余って逃げ出す事も出来るかもしれない。でも、相手の事を考えたら勝手な事を出来ない。
戸籍の届出は本来なら親か、親代理の仕事なので、紗音嘉音の場合は孤児院(金蔵)が該当するんだと思います。つまり金蔵は自分の所から逃げたら二度と戸籍の登録はしないよ~、と脅しをかけたんじゃないかと・・・思うんですが、どうでしょう。
多分合ってると思うけど、ここは知識薄いのでちょっと自信が・・・。


ここまで書いてて思うんですが、金蔵ってベアトリーチェと恋人になってやり直したいが為に依り代を育ててる筈なのに、嫌われ街道一直線ですよね。
金蔵の家族も過去ばかり大事にする金蔵から幸せなんて感じなかったでしょうし、確かに金蔵は魔法の才能0なのかもしれません。


実際問題、嘉音は祖父と孫ほど年の違う金蔵に恋愛感情なんて持てなかったでしょう。嘉音ことベアトリーチェが好きなのは戦人なんですから。

戦人の初恋の紗音ちゃんですが、これは多分、紗音・熊沢辺りに協力してもらって戦人の前に出てきた嘉音です。
紗音自体は10年前から右代宮家に勤めていて、これは朱志香・譲治の証言から確からしい部分です。「シーユーアゲイン」の一件も実際に戦人が言ったんでしょう。
ならどうやって紗音と嘉音が入れ替わっていたのか。戦人にばれないで2人1役をするなんて可能なのか。

事の発端は、おそらく嘉音が戦人に恋した事です。ちょっと気になる、位だったのかもしれません。時々島にくる男の子を遠くから見て興味を持った。
会って話したいと思っても、金蔵に人前に出てはいけないと禁止されている。なら、紗音と口裏を合わせて嘉音が紗音として戦人に会えば誤魔化せるんじゃないか、と考えたんでしょう。
ただ、流石に昼間に堂々と入れ替わったら無理がありまして。多分、紗音が個人的に話したい事がある、とか理由を付けて夜の薔薇庭園辺りに戦人を呼び出したんじゃないでしょうか。
明りがなければ、紗音の服を借りて口調を真似る事で誤魔化しは利きそうです。紗音と嘉音の背格好が似ていれば可能かな、と思います。

昼と夜で紗音は別人だった。ミステリー談義やらで盛り上がった紗音は実は嘉音で、戦人が淡い初恋をしたのは彼女のほうだった。多分こんなオチじゃないかと思うのですがどうでしょうね。

ちなみに昼と夜で別人、結構古典ネタです。普通は閨で別人に入れ替わるネタで使うんですけどね。

ベアトリーチェがEP4で語った「戦人の罪」は大方の予想通り「6年前に偽紗音(をベアトと認識せず)に迎えに来ると約束して期待を持たせた事」です。

何故これが罪なのか。単純に嘉音が期待してガッカリした事。それと戦人は知らないとはいえ金蔵の愛人に手を出した事になるので、こっちの影響が大きそうです。

そして嘉音が何故ベアトリーチェに変装できたのか。そもそも嘉音は何者なのか?

16歳の少年が化粧をすることで肖像画そっくりに化けていた。この仮定はちょっと無理のある所で、特定の顔を作る化粧なんて簡単に出来るものじゃないんですよね。
肖像画のモデルが女装嘉音だったら可能なんですが、九羽鳥庵に肖像画そっくりの女性が存在した以上、単に嘉音がモデルだった訳じゃない。

ここでチェス盤をひっくり返すと、16歳少年が肖像画そっくりに化けるのは無理かもしれない。でも19歳肖像画の女が16歳少年に化けるのは可能じゃないでしょうか。
つまり嘉音にとって、ベアトリーチェそっくりの姿が本来の姿で、使用人の少年は変装と言う事です。性別も女性でしょうね。

嘉音の正体は、九羽鳥庵のベアトリーチェが死んだ後に金蔵が連れてきた赤ん坊。
親族に隠して島で育てられた、金蔵の昔の恋人を蘇らせる為の依り代です。
そして恐らく、戦人の初恋の女の子で、迎えにくるよ!と約束した相手でもあります。



ここでちょっと話は変わりますが、うみねこの「魔法」が作中でどんな意味があるか。考えた事はあるでしょうか。
戦人とベアトリーチェが対戦する。人間VS魔女の戦いだから、魔女は魔法が使える事になってないと話が成立しない。
それは確かですが、少し考えるとそれだけじゃない事に気が付きます。

魔法には「良い魔法」「悪い魔法」が存在します。良い魔法は人を幸せにする魔法。悪い魔法は人を不幸にする魔法です。
良い魔法が使えるワルギリアのモデル・熊沢は人を楽しませる嘘を付く人物としてゲーム盤に登場します。
対して魔法の才能がない、と言われた蔵臼・夏妃は使用人と共謀して金蔵が生きているように見せる嘘(魔法)を使いましたが、結果として誰かが幸せになった様子は見られません。
つまり良い魔法ではなかった訳で、ここが長男夫婦に才能がないと言われた所以でしょう。

同じように魔法の才能がないのは戦人と金蔵。戦人は使う側というより抵抗力を指して言われてる節があるので(エンドレスナイン)、嘘に屈服しない精神力を指しているんでしょう。
では、金蔵は何故魔法の才能がないんでしょうか。そして召喚能力のみ高いと設定されてるんでしょうか。

もう1つ、魔法の中で頻繁に出てくるもの。失ったものを蘇らせる能力です。
これは本当に沢山出て来ます。真里亞の薔薇(EP1~4)、ハロウィンのマシュマロ(EP2)、さくたろう(EP4)、戦人(EP4)、ベアトリーチェ(EP6)。

全てに共通しているのが、失われたものは戻って来ない事。仮に戻ってきても、それはよく似た偽物で代用しているだけです。
代用品が用意できなければ不可能なのが蘇生術で、さくたろうは縁寿が代用品を見つけたお陰で復活した(と真里亞が誤解した)んですが、これを人間に適用するのは無理でした。

縁寿は戦人を蘇らせる事は出来ないし、EP6の戦人はベアトリーチェを手に入れたのに、求めるベアトリーチェと違う事に苦しみます。
物は外見が同じなら誤魔化せるんですが、人間だと中身の問題もあるから「似た人間を連れてきたよ!はい復活!!」なんて無理ですよね。

この辺の話はベアトリーチェの過去話と合わせて、六件島の真実を暗喩する描写です。



おそらく金蔵には昔、ベアトリーチェ(以降オリジナルベアトと呼びます)という名の片思いの相手がいた。
当時の金蔵は長老たちに強制された結婚相手がいてオリジナルベアトと結婚できなかった。あるいはオリジナルベアト自体、金蔵に恋愛感情がなかったのかも。
そうこうしている内にオリジナルベアトは死んでしまいます。金蔵の一言謝りたい、の嘆きを見る限り、金蔵に原因があったのかもしれません。

オリジナルベアトが死んだ後、悲しんだ金蔵がどうしたか。金蔵はオリジナルベアトを諦めきれず、彼女を蘇らせようとします。
ただし金蔵が使った魔法は西洋魔術なんかじゃなく、うみねこ的魔法。つまり「似た代用品(人間)を用意する」「嘘をついてオリジナルベアトそっくりに育てる」でした。

これが九羽鳥庵にいたベアトリーチェ(九羽鳥ベアト)で、赤ん坊の頃からオリジナルそっくりの性格になるよう育てられた女性です。
何故オリジナルベアトに外見がそっくりだったのか。多分、血縁関係があるんでしょうねぇ。オリジナルベアトの娘(非金蔵の娘)か、妹か、姪っ子か。そんな所でしょう。
九羽鳥ベアトとオリジナルベアトがどの程度似ていたのか。読者は知る由もありませんが、少なくとも金蔵が期待した、金蔵への恋愛感情は生まれなかったようです。父親・友人と回想で言ってますから。
金蔵の最終的な望みは、オリジナルベアトそっくりに育った九羽鳥ベアトと恋人になって結婚する事だったようですが(礼拝堂を見るに)、叶わないまま九羽鳥ベアトは転落死します。

再び金蔵は悲しみます。その後どうしたか。懲りもせず代用品の赤ん坊を連れてきて、オリジナルベアトそっくりに育てようとしたんでしょうね。19年前の赤ん坊がそうです。
夏妃は数日の間、見るのも嫌だったから気付かなかったんでしょうが、赤ん坊は男じゃなく女だったんでしょう。この子が後の嘉音です。

嘉音を生んだのは明日夢かと思います。ベアトリーチェが戦人の出生の秘密を知っていたり、当主試験の手紙入れがシガーケースだったり。留弗夫との繋がりを暗示させる描写が多いからですから。

おそらく19年前に九羽鳥ベアトが死んだ当時。金蔵はオリジナルベアトに似た赤ん坊が欲しかった。明日夢は留弗夫のお嫁さんになりたかった。留弗夫は霧江を須磨寺家の制裁から守りたかった。

この3者の思惑が一致した結果。

・金蔵は明日夢に子供を産ませる見返りに、須磨寺家に支援して霧江を守る。留弗夫と明日夢を結婚させて、霧江の子供も2人で育てさせる。
・明日夢は留弗夫と結婚する見返りに、金蔵が望む赤ん坊を提供する。他言無用を守る。
・留弗夫は霧江を助けてもらう見返りに明日夢と結婚する。霧江の子供も明日夢との子供として育てる。

このような取引が行われたのだと思います。霧江は何も知らないので、まるで明日夢が留弗夫を寝取ったように見えたんでしょう。実は明日夢と留弗夫、肉体関係すら無かった可能性もありそうですけど。
明日夢の子供が霧江の出産予定日と同じ日だったのも事前工作の嘘でしょうね。実際は、明日夢と留弗夫が結婚した当時、既に赤ん坊は生まれてたんだと思います。11月29日に。

明日夢の子供がどうしてオリジナルベアトに似ていると金蔵が考えたか。
考えられる事は2つあって、1つは単純に明日夢がオリジナルベアトの血縁者だったとする考え。明日夢、て名前は日本人離れしてますし。父親が外国人なら子供もそれらしくなりそうです。
もう1つは、医者の南條に協力してもらって、九羽鳥ベアトあたりから持ってきた卵子を明日夢に代理出産させた可能性。時代的に少々苦しいですが、一応可能かもしれません。

さて。そうこうして手に入れた赤ん坊。後の嘉音ですが、どこで育てるか。金蔵も迷ったんでしょう。
九羽鳥庵は九羽鳥ベアトが逃げようとしたから使いたくない。なるべく目の届く所と考えて夏妃に預けたんでしょうが、夏妃は拒否してしまった。
仕方なく本館の近く、多分黄金部屋や九羽鳥に続く通路辺りに隠して育てたんだと思います。源次・熊沢・南條は昔からの協力者なので養育に携わってると思われます。

ここで問題になるのが、本館に近ければ親族に気付かれる可能性がある事。完全に地下に閉じ込める事は不可能だし、表に出てる時に家人が気付く可能性があります。

その対策として金蔵が打ち出したのが、木を隠すなら森と言いますか。福音の家の孤児を使用人として使って、子供が島にいても不自然じゃない状況を作る事でした。
そしてもう1つ、森の魔女ベアトリーチェ伝説を拡大して、屋敷の中に魔女がでる噂を作りました。

この金蔵の魔法(こう呼んで差し支えないかと)によって、六件島に女の子が1人隠れ住んでいる事実は装飾され、女の子が消えて魔女伝説が残りました。これがEP6の姉ベアトです。

赤ん坊が成長して、金蔵が加齢と病気で彼女の所に通えなくなった頃。金蔵は女の子に男装させて使用人として表に出します。これが使用人嘉音の正体です。
新参の嘉音が何故片翼の鷲を貰えたのか。金蔵が書斎に入る事を許可したのか。単純に嘉音が愛人だったからでしょうね。
男装させた理由は、女の子で同じ事をしたら贔屓=愛人と露見するから。後、変な虫が寄ってきたら困ると思ったのかもしれません。なんにしても勝手な理由です。

それから嘉音が朱志香に答えられない理由。長く勤められない理由。無愛想な理由。これは女の子だとバレる限界がある所為だと思われます。てか嘉音16歳の時点で苦しくなってきてる筈。
嘉音が務め始めたのは3年前。昼間は嘉音として書斎に通い金蔵に会う。夜は本来の姿に戻って書斎に行く。郷田が見た人影は女姿の嘉音が金蔵の書斎に行く所だったんでしょう。
EP6妹ベアトは使用人嘉音の事です。鏡を見られない=普段の姿は異なっている。使用人嘉音と魔女伝説が合わさる事で、金蔵が隠していた少女(=出題編ベアトリーチェ)の完成です。

まず殺人犯から。ベアトの狂言殺人で死んだ振りをした人間を殺していった人間です。
条件としては全ゲーム共通で狂言殺人側の人間である事。理想はゲームスタート以前に仲間になっている事です。ここから嘉音と親しい人間だと推測されます。
次に大量殺人を行う性質上、おそらく単独犯である事。被害者の抵抗・運搬はあまり考えなくていいから女性でも可能です。
そして殺人が続く範囲で生存している人間の必要があります。死んだら殺人出来ませんしね。

「出題編で最後まで生き残るのが戦人だけだから読者はあんなに悩んだのに。該当する人間いないでしょ?敢えて言うなら赤字を抜けてる嘉音が殺人もしてるんじゃないの」

こういう疑問が出そうな問題ですが、ベアトリーチェこと嘉音が積極的に殺人を行ったとする仮定はちょっとありえないんです。戦人は真相を知った後、ベアトに対する感情を180度変えているので。

縁寿も指摘したこの問題、筋を通すにはベアトリーチェが殺人犯であってはならない。嘉音以外にもう一人、終盤までの生存者を出さないといけない。

・・・実は嘉音が赤字を抜ける為に使用したトリック、「複数の名前を持つ事で赤字を抜ける」を使える人間はもう一人います。
死亡赤字を無視できれば殺人が続く範囲で生存できる人間。複数の名前を持つ事が示されていて、嘉音と親しく、仮に殺人者だったら嘉音が隠したいと思うような人物。
該当するのは紗音のみ。背景描写も多く謎も多い彼女が死んだ振りの人間を殺した真の殺人犯です。

何故紗音が親族と使用人を殺そうと思ったのか。この辺は物語の真相や「家具」の意味に関わってきそうな部分です。

殺人を犯すにあたって、闇に紛れて全員惨殺する方法を選ばず、死んだ振りの人間を殺したのは、事後処理の問題と被害者の抵抗を考えてですかね。
紗音はか弱い女性なので、仮に銃を使っても男性陣を殺すのは大変です。夜中でも使用人の面々は起きてますし。死んだ振りの所を殺した方が楽と考えたんでしょう。
それからミステリーの約束として。模倣犯や便乗殺人犯の目的は、罪を他人に押し付けようと目論んでるケースが多いです。
例えば今回の碑文殺人なら、死んだ振りの人間を殺して最後に自殺に見せかけて嘉音を殺す。嘉音の側に殺人計画書(ボトルメール)を置いておけば警察は嘉音が犯人で最後に自殺したと誤解してくれそうです。

碑文殺人の目撃者の戦人も紗音に有利な証言をするでしょう。戦人は被害者が発見された時に殺されていたと誤解している数少ない人間なので。紗音が毎回戦人を生かしておいたのは、おそらくその為です。
自分は嘉音に脅されていた・あるいは怪我をして隠れていたとでも誤魔化すつもりだったんでしょう。


次に爆発を仕組んだ人間について。これはヒントの少ない部分で消去法になるんですが。
嘉音・紗音含めて、登場人物は10月6日以降の事を考えてゲーム盤に登場しています。
爆発は必ず5日24時に起きるから誰かが仕組んだ罠だと思うんですが、自殺願望のありそうな人って見当たらないんですよね。
底が見えない源次が怪しい気もしますが、源次はEP2で戦人に「将来に備えて勉強しろ」と言ってます。6日以降が来ないと知っていたら出てこない台詞です。
島に爆発物を仕掛けられて、自分に被害がない登場人物。
こう考えると既に死んでる金蔵が犯人かと思います。ちょっと考察としては弱いんですが。

ただ、このヒントの少なさ自体がヒントかな・・と思う部分もあり。
ベアトはクイーンでキングじゃない、と言われてるように、ベアトの背後に事件の黒幕(キング)がいるんでしょうが、クイーンのベアトはキングの仕掛けた罠の全貌を知らないんじゃないかと思われる節があるのです。

それでは、いとこ部屋から時間差トリックを使って脱出する事は可能でしょうか。その手掛かりは示されているでしょうか?

これは封印時のエリカ・戦人のやり取りを見れば分かりますが(小さな矛盾の章)、エリカは上位世界でゲーム盤の所在確認を行った後、一端下位世界に戻って封印を行っています。
ゲーム盤で駒が行動すれば当然時間が経過する。実際戦人とエリカは所在確認の後「ゲームを進めろ」「ええ、進めますよ」の会話をしています。
つまりいとこ部屋は所在確認から封印までに僅かな時間の隙があって、ガムテープの封印以前に部屋から出られる事になります。

これは隣部屋には通用しないトリックで、何故なら隣部屋は後から「封印時の隣部屋に居たのは、秀吉、譲治、熊沢、紗音、南條である」の赤字が追加されているからです。
時間差トリックで脱出できるのはいとこ部屋のみ。嘉音はエリカの所在確認時に名前を読み上げられていませんが、いとこ部屋の「その他全員」に含まれていたのだろうと推測されます。
 
ガムテープで窓を塞がれる前にいとこ部屋を出た嘉音が、戦人の代わりに客室に入ってチェーンを掛けた。
ロジックエラー修復はエリカの目撃情報に合致した形で行わなくてはいけない。だから嘉音の隠れ場所はクローゼットかベッドの下です。

何故物理的に存在する嘉音を消えたと言えるのか。それはベアトリーチェが魔女で居られる最後の謎。謎を解くには手掛かりが示されなくてはいけない・・・。
これはEP4の出題方法から考えた方が解きやすい謎です。EP4はお茶会で全員死亡が確認されますが、内訳は

・戦人が致命傷を確認した16人
・死体がないけど赤字で死亡宣言された1人(嘉音) 。

ベアトの心臓を晒すトリックが、物理的に生きている人間を死んでいるかのように誤解させるトリックならば。この状況で戦人を殺せる「私」になれるのは嘉音しかいません。

EP4でベアトリーチェが晒した心臓は「自分の正体は嘉音で、ただの人間」と言う事。
魔女が自分を人間だと告白すれば、そりゃゲームとしては続行不能で人間側の勝ちです。ゲームが終わりになる謎なのも納得です。
ロジックとしては「嘉音は仕事の時に使っている名前で、本名はゲーム中で明かされなかった。嘉音の本名はベアトリーチェで、GMは2つの名前を使い分ける事ですり替えトリックを使用してい た」でしょうか。

だからエリカはベアトリーチェとの対決で、発想は正解だったんです。クローゼットとベットの下の差し替えトリックの部分を、嘉音とベアトリーチェに変えるだけで正解になります。

クローゼットに居たのはベアトリーチェで嘉音では無かった。上位世界で名前の使い分けをしてるだけで、下位世界の嘉音が変身したとかそういう話ではありません。
もしゲームが終わらなくて、エリカがクローゼットを開けたなら。エリカはレインコートを着て隠れてる嘉音を発見したでしょう。
 
これがミステリーファンに怒られるトリックです。愛がないと見えないのは、嘉音が戦人を助けた動機のほうですね。嘉音が戦人を助けたのは愛ゆえに・・ごちそうさまです。
補足すると、この解答でこれまでに出たヒントは消化できます。
ゼパルとフルフルがヒントなのは男女1組セット(嘉音=男、ベアト=女)だから。
コインとコップのパズルは、コイン=名前の数・コップ=体の数の比喩です。決闘の場面で出てくる紗音(本名紗代で名前が2つ)・嘉音(本名嘉哉で2つ)・雛ベアト(名前1つ)を、名前3つ 、2つ、1つになるよう考えなさい。
解答は雛ベアトを嘉音か紗音に重ねる(=変装と定義する)ですが、ゼパルフルフルの件を加味すると紗音に雛ベアトを重ねると男女1組にならないから不正解。嘉音に雛ベアトを重ねる事で正解 となります。

これは最初の方で考えた真里亞の友達のベアトリーチェの正体とも一致します。嘉音はEP2・3・4の死亡宣言をベアトリーチェに名乗りかえる事で抜けていた。
故に全てのEPで最後まで生存して碑文殺人の指示を出していた事になります。
 

以上を持ってEP6は終了。全てのトリックと魔女の正体を解き明かした人間戦人の勝利で幕を閉じて、めでたしめでたし。

ここまでが戦人がベアトリーチェへの卒業試験として提示した問題です 。


「ちょっと待ってよ。投げっぱなしの謎があるじゃない。
死んだ振りの人間を殺した殺人犯とか、爆発事故を仕組んだ人間とかは誰だったのさ。
そもそも何故嘉音がベアトリーチェに変装できたの?碑文殺人を何の為に戦人に見せたの?意味ありげな「家具」発言とか解決しなきゃ駄目じゃないの」
 
・・・何となく良い流れで終了したい所で突っ込みが入る。それがEP6の???です。
これまで戦人とベアトリーチェのゲームを観劇してきたファザリーヌは、上記の謎の答えを推測出来ていて、これはベアトリーチェが隠しておきたい謎だったと言っています。
それを承知した上でベルンカステルに答え合わせをの腸引きずり出しをやらせるんだから相当悪趣味ですが、確かにここを説明しなきゃ仮説の片手落ちです。

この辺からは仮説に仮説を重ねる部分が多くなるので、1つ前提を間違えるとボタンの掛け違えのごとく全てが狂ってきます。事件の動機に突っ込んでいくので、心理的な流れも証拠として使用す るのをご了承ください。
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
フリーエリア
最新コメント
[08/08 エンドウ秋季 ]
[08/08 エンドウ秋季 ]
[08/08 エンドウ秋季 ]
[08/08 エンドウ秋季]
[08/08 59.143.185.47]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
エンドウ秋季
性別:
女性
職業:
会社員
趣味:
旅行 食べ歩き
バーコード
ブログ内検索
P R
カウンター
Template by Crow's nest 忍者ブログ [PR]